カクレモモジリ
“「新幹線は、時計より正確だと聞いています」 1975年5/12、名古屋駅から御乗車の直前、英国エリザベス女王から このようなお言葉を頂きました。 ところが。その日は大雨。既に上り新幹線が名古屋に到着する時点で2分の遅れが出ていました。 更に女王陛下の172個のお荷物を積み込むのに時間がかかり、 名古屋駅を3分遅れで発車となりました。 更に更に、浜名湖付近で徐行し遅れは4分に。 また、女王陛下に富士山をご覧頂く為にスピードダウン。 三島通過までに一分の遅れを回復しましたが、残り120.7キロで3分を取り戻す事は不可能だと 全社員が思っていました。 (当時の新幹線は最高時即210キロでATCが作動し、 自動的に減速されるシステムになっていました) そこで運転士は「制御がかかるギリギリ手前の“時速209キロ”で走る」事を伝えます。 了承したものの指令室や東京駅には「定時到着」に諦めムードが漂っていました。 しかしこの時運転士だけは「女王陛下のお言葉を違えぬ為に」と自分の腕を信じ 209キロで走らせ続けました。 『品川、定時に通過!!』その一声に、沈んでいた指令室も東京駅も驚愕と大歓喜に沸き返りました。 13時56分定刻、女王陛下を乗せた新幹線は、まるで何事もなかったように悠々と ホームに入っていきました。 全てがシステム化されているかのような新幹線も、最終的には人のチカラで支えています。 「安全を守る為にスピードを落とし、ダイヤを守る為にスピードを上げる」 新幹線の微妙な動きは、総合指令で指令員がコンピューターの膨大なデータを元に 正確な運行をハジキ出し、現場を把握する乗務員が機転を利かせバランスを計ります。 スタッフ全員の使命感と地道な努力によって、安全と正確さが積み重ねられています。”
— (via filemente)
